For LiDAR scanning solution ポリゴンミラー&ポリゴンレーザスキャナ 特集 Vol.3
For LiDAR scanning solution ポリゴンミラー&ポリゴンレーザスキャナ Vol.3
Chapter 9 New!
ミラー薄型化の推奨①「レーザプリンタの仕組み・構造」 New!
ミラー薄型化の LiDAR への応用
今回は少し目線を変えてみましょう。
将来の普及を見据えた LiDAR の量産化を展望しますと、生産コストの低減は大きな課題と言えます。事務機器向け薄型ポリゴンミラーで 世界 No.1 の外販市場シェアと供給実績を誇る当社としましては、LiDARRにおけるポリゴンミラーの薄型化を強くお勧めします。
ポリゴンミラーを使用したレーザスキャンは、LiDAR 以外にもレーザプリンタや複合機などの事務機器をはじめ、医療用デジタイザやレーザ測長機といったアプリケーションに古くから使用されています。特に事務機器業界においては、カラー化や高速印刷・コンパクト化の流れに伴い、光学系の技術革新は目覚ましいものがあります。
本編では、ポリゴンミラー薄型化の成功事例として、事務機器のレーザ走査光学技術の変遷について、取り上げていきたいと思います。
レーザプリンタの仕組みを見てみよう
本題に入る前に、レーザプリンタの印刷原理については、意外と知られていないかもしれませんので、その仕組みをまず簡単に紹介したいと思います。
レーザプリンタ(左下)をスケルトンにして内部構造を表したものが、右下に示す図になります。
- レーザプリンタの中身をスケルトンにして、内部構造を示したものが下の図になります。
これをわかりやすく平面図に展開しましたのでて、順を追って、印刷までの工程を見ていきましょう。
レーザプリンタの印刷は、①帯電→②露光→③現像→④転写→⑤定着 の5つのプロセスで行われます。
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Step.1 帯電
帯電ロールからのマイナス電荷によって、感光ドラムの表面全体にマイナスの静電気を万遍なく帯びさせます。この時の感光ドラムは、数百ボルトにも及びます。感光ドラムは、暗いところでは絶縁体となり、光が当たると導体となる性質を持ちます。 -
Step.2 露光
静電気を帯びたドラムに向かって、印字箇所にレーザを照射します。詳しくはレーザダイオードから発射されたレーザを回転するミラーで折り返し走査することにより、、回転するドラム上へ瞬時にライン照射を繰り返します。性質上、レーザが照射されたところは電荷が消滅します。。 -
Step.3 現像
露光したドラムにマイナスに帯電したトナーを近づけると、ドラム表面の電荷を失った箇所にだけトナーが付着します。逆にレーザ照射されずに電荷が残った箇所には、トナーは付着しません。 -
Step.4 転写
用紙の裏側に配置している転写ロールに、ドラム表面の静電気とは逆のプラスの静電気を帯電させ、そこを通過することで、ドラムに付着したトナーが用紙に移ります。 -
Step.5 定着
最後に、トナーはまだ用紙に「載っているだけ」の状態ですので、トナーを熱で溶かし、圧力をかけることで、用紙から剥がれないように定着させます。アイロンがけをするようなイメージですね。
Step.2 の「露光」プロセスで、レーザを使用しているのが、レーザプリンタと呼ばれる所以です。
この露光プロセスにおけるレーザ走査光学技術の変遷については、次の節で詳しく触れていきます。